看護師の学歴は転職・給料に影響する?
看護師は人気の仕事で、日本全国には110万人以上の看護師がいます。実際どういった経歴の方が看護師になるのかを見てみると、3割が大学卒、7割が専門学校を卒業してから看護師として働き始めています。
しかし、実際に大学卒の看護師と専門学校卒の看護師は、その学歴によって給与面だったり、転職の際の有利度など、異なってくるのでしょうか?
今回は看護師の学歴格差の事情についてお伝えしていきます。
看護師に学歴格差はある?
最近は「上級国民」などといった言葉が取り上げられるなど、社会の格差に対して世間が敏感になっている印象があります。
そんな雰囲気のせいか、看護師さんたちの中でも、学歴格差を感じたり、低学歴に対するコンプレックスがあるなどセンシティブな人が増えてきている印象があります。
基本的に看護師として働くうえでは学歴格差はほとんど存在せず、学歴よりも経験とスキルが何より重要です。
しかし、まったく格差がないとも言い切れないところもあり、給与面や転職の際に少しだけかかわってきます。
では具体的にはどういう違いがあるか給与面と転職面に分けて解説していきます。
看護師の給与面での差
一般的に専門学校卒の看護師の平均初任給は26万円と言われています。賞与などを込みにして年収を換算すると年収は約380万円ほどです。
もちろんここからスタートして勤続年数や能力に比例して昇給していきます。また、短大卒の看護師も専門学校卒の看護師と同程度の初任給になります。
一方、大学卒の看護師の初任給は約27万円と、1万円ほど高くなっています。年収で換算すると約390万円と10万円ほどの差が出てきます。
この10万円を高いとみるか安いとみるかどうかは、個人の感覚によるところですね。ちなみに、大学院卒の看護師の給料は大学卒の看護師と変わりません。
大学院卒の方は自身の専門分野に関連した業務に携われる現場ですとさらに給料が高くなる傾向があるようです。
このように看護師の給与面において学歴による差は若干あるものの、初任給の段階ではわずかにとどまっています。
しかし、初任給では少なかった差も、勤続年数が長くなると大きな差になってくる傾向はあります。
絶対的に大きくはないものの、少なからず多少の学歴格差は存在しているようですね。
看護師の転職の際の学歴格差
給与面では多少の差があった看護師の学歴ですが、転職の際にはどのような影響があるのでしょうか。
結論から言ってしまうと、一般職の看護師への転職・求職の際には学歴による格差はありません。
能力を判断する際の指標の一つであることは間違いありませんが、それよりもその職場で求められているスキルを持つ人材かどうかがより重要になってきます。
また、以前の勤務先での実績や経験も見られます。しかし、管理職への転職を希望するとなると大学卒以上であることが求められることもあります。
管理職での業務は一般職と比べて患者さんへの対応を行うことは少なく、その分現場のマネジメントに携わることが多くなります。
マネジメント力を判断する際の指標として学歴が最初の判断機銃となっている現状のようです。
もちろん、専門卒の看護師であっても、実績を積んで昇給していけば管理職に就くことは十分可能ですが、転職活動の際には大学卒以上の看護師に比べて評価されにくいようですね。
このように、転職の際には希望する職務によって看護師の学歴が関わってくることが分かりました。
学歴にとらわれることのない看護師ライフを送るために
お伝えしてきたように、看護師の業界にも、学歴格差は比較的影響が少ないとはいえ存在します。
時には自身の学歴にコンプレックスを抱えて、仕事がうまくいかないのを学歴のせいにしてしまうこともあるかも知れません。
ですが、本当に重要なのは仕事に真摯に携わる姿勢であり、着実にスキルアップをしていこうとする意識ではないでしょうか。
それが周囲に伝われば、学歴に関係なく評価が得られ昇給していくのは間違いありません。